森林療法ハンドブック


森林療法ハンドブック

  • 編集 降矢英成
  • 出版 東京堂出版(2005/06)
  • 単行本193p
  • サイズ21x15cm
  • ¥2,520


降矢先生は草津森林療法協議会からの依頼で、群馬県で初めて森林浴の効果を科学的に測定し、立証してくださった方である。この方の本は読まねばならない。



森林インストラクターとしての私の森の見かたは、人間がどんな生物から進化してきたのか正確には解らないが、たとえ猿から分化した時点から数えてみても499万5000年位は森と共に生きて来た動物だったはずである。それゆえに私たちの体は自然対応用にできており、森に入れば誰でも身体機能向上、生理機能回復するのは当たり前だと思う節がある。



しかし、医師としてはそれぞれの好みの森林の形を選択すべきであるとか、標高やコースの選択法などを療法効果と照らし合わせて分析するなど、最も効果的な方法で療法を施そうとするようだ。これはホリステック医学としての考え方なのだろうか。



森林やフィトンチッド、森林療法についての一通りの説明がなされているが、文字の印刷色が薄い(癒しの効果があるのか?)ことと、降矢先生のやわらかい人柄から来る独特なやさしい文章は訴えるものが弱まってしまうようにも思う。できればテーマを絞り、迫ってくるような、掘り下げた内容のものもほしかった。