馬場多久男さんの冬芽観察会

もくり副理事長、根萩さんからお誘いをいただいた。なんとあのベストセラー、「冬芽でわかる落葉樹」「葉でわかる落葉樹」の著者、馬場多久男さんの冬芽観察会に参加できるというのだ。場所は安曇野ととても遠かったが、村の仲間4人と共に嬬恋軍団として参加させていただいた。

馬場さんのいろんなお話を聞きながら冬の森をあるいた。判別のために採取する場合は、日陰の不完全芽となっているところのものは解りにくいので採らない。日向の、できるだけしっかりしたものを選ぶ事。キイチゴの類は1年目にシュートが出、2年目に花、3年目に枯れる。ではどのような施行の仕方が公園管理として望ましいか?わざわざ芽を見なくても解るものもある。樹形、皮目、クリタマバチの虫えいとくればあれはクリだろうと。それが最後の写真。


  


ヤマボウシなどのミズキ科の植物は葉の離層がはずれず、ちぎれて落ちるのだという。葉柄の一部が残っているというのだ。独特の樹形は一年生枝の根元から翌年の新枝が出るためだ。

右巻きのつる植物はフジ(ノダフジ)。

ニワトコの先端の一部は、頂芽がつかず先が枯れたようになっている。これは、通常、木は秋には成長を止め枝の先端に頂芽をつけ越冬の準備をするのだが、この種は伸びっぱなしのまま冬を迎えて枯れてしまう枝を持つというのだ。馬場さんに、「…ということは、この種は進化のできていない、より原始的な種であるということですか?」と聞いてみたが、それは解らないとの事だった。もしそうだとすれば以前見たカンボクの先はほとんどこうなっていたので、ニワトコは頂芽をつける種よりもやや原始的で、カンボクはさらに原始的だということになる。

僕が勝手に考えた事なので引用しないように。


  


午後からはまずスライドショーで冬芽に関しての説明を受ける。「葉芽・花芽・冬芽」は、「ようが・かが・とうが」と読むと思っていたが、馬場さんが「はめ・はなめ・ふゆめ」と言っていた?

またここでも初めて聞く言葉が出てきた。二次枝、仮頂芽、芽柄、隠芽、芽の開出角度…

そして、「冬芽でわかる落葉樹」を使用した検索方法の紹介。この本での検索は何度かやってみて慣れないと使う気にならない。しかし使えるようになると長野・群馬県のほとんどの樹種を網羅していることが解る。馬場さんに聞くとこの本をつくるのに15年かかったという。参加者はサンプルを手に取り、実際に検索して楽しんだようだ。


  


ヌルデの枝先についていたものは、ヌルデシロアブラムシが寄生してできる虫こぶだった。五倍子と書いて「ふし」というらしい。
http://www.proto-ex.com/gentaiken/qa32nurude.html

オニグルミの枝を切ってみると、髄は断続した形になっていた。驚いた。

ノリウツギの冬芽は、対性のものと3輪性のものがあった。確かに良く見ると葉痕は同じである。初めは別種だと思い二組に分かれてそれぞれ検索表を使って検索した。すると別のページにジャンプしたものの、最終的には二組ともノリウツギにたどり着いた。これも面白かった。