森林インストラクター養成教科書選集、試験問題例集

 


★森林インストラクター養成講習教科書選集(全国森林レクリエーション協会編集作成)¥3,675
★森林インストラクター資格試験問題例集(全国森林インストラクター会発行)¥2,100


森林インストラクターを目指す者必読の2冊。まずこの2冊を購入し、自分にどれだけの知識と理解が備わっているかを確認します。科目は「森林」「林業」「森林内の野外活動」「安全及び教育」の4科目で、その出題範囲は広く内容は専門的である。一度読んだその上で不足分を補う勉強の仕方が良いでしょう。
試験問題例集では、過去の問題が載っていて面白い。科目ごとに問題と回答例を一つずつ紹介する。

■「森林」
問)林分の発達段階における老齢段階の森林、または遷移段階における極相林は、一般に生物多様性が高いといわれています。なぜそうなのかを300字以内で説明せよ。

答)老齢段階の森林も極相林も、単に老木や極相を構成する樹種のみで構成されているわけではなく、攪乱等の影響を受けながら多様な林齢及び発達段階の植物のパッチから成るモザイク状の森林となっている。層位も複雑で多様な植物から成るため、それを食べる消費者、微生物も多様になる。森林は動物にエサ、採餌場所、すみか、営巣場所などを提供するが、フクロウなど、倒木、枯木等をすみかとする動物も多く、また特定の林齢段階の木を求める動物もある。こうしたことから複雑な構造、機能を有する老齢段階あるいは極相林は多様なニッチ、ハビタットを提供し、生物多様性が高い。

■「林業
問)木材が住宅用建材として優れている事を5つ上げ、その理由をそれぞれ説明してください。

答)
1.軽くて強いこと。--- 比強度が鉄などより強い。また加工もしやすいため構造材として適している。特に繊維方向(縦方向)の強度が強い。
2.断熱性があること。--- 木材がハニカム構造で中が中空のため、熱を伝えにくい。このため、外気温と比べて室内を一定の温度を保つのに有効である。
3.調湿性があること。--- 木は湿度が高いと湿気を吸収し、乾燥していると水分を放出する。このことによって室内の湿度を保つのに有効である。壁材に適している。
4.暖かい色合いで、木目が美しいこと。--- 木材は暖色系の色で見た目に落ち着いて、やわらかい印象を受ける。また、適度なゆらぎのある板目模様や芸術的な杢は、独特で人の心を和らげる。
5.耐久性に優れている。--- 鉄鋼材の様に空気中の酸素と酸化反応を起こすこともなく、十分に乾燥されていれば数百年は使用できる。

■「森林内の野外活動」
問)20世紀は「労働の世紀」であったが、21世紀は「余暇の時代」になるであろうと言われています。そこで、21世紀の余暇社会をどのように捉えたらよいか。森林インストラクターの立場から、300字以内で記述して下さい。

答)「労働の世紀」は文明の発展、市場経済の進展であり、民族紛争や戦争の世紀でもあった。この中で、人々は自然を破壊し、経済水準は高まったものの、人間の存在を可能ならしめている条件、とりわけ自然環境条件の重大性をないがしろにしてきた。したがって、「余暇の時代」に入ってからは、人間回復をキーワードにしたい。自然をよく認識することが人間を思いやりのあるものに復帰させる。このため、余暇は目的なく遊ぶものではなく、老若男女すべて、できうる限り自然環境の中で時間を過ごし、自然の恩恵や「こわさ」を認識すること、積極的に学習することが望ましい。インストラクターはそのための適切な仲介役とならねばならない。

■「安全及び教育」
問)「桜(さくら)」について、あなたの想(おも)いを300字以内で記述してください。

答)桜は日本の国の花といっても過言ではないように日本人の間に認識されている。日本人は桜が好きである。待ちわびた春を感じさせてくれるのか、又1週間ばかりで散ってしまうはかなさが良いのか、私も桜が大好きである。桜とは、「さ」すなわち神が「くら(座)」すなわち「おわす所」から造語された言葉だと聞いている。神社やお宮に桜の木が多いのも解る様な気がする。神がいるから桜、神が降りてくるから桜。しだれ桜もまた美しく好きである。外国から帰ってきた日本人が桜を見て「ああ日本に帰って来た」と思える木。それが桜で、日本人のふるさとでもあると考えるのは、けっして大げさではないと思われる。

さて、皆さんいかがでしたか?難しさを楽しんで受けれる試験だと僕は思います。ぜひ森林インストラクター試験に挑戦してみてください。
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