森林・林業白書(索引付) 平成16年度版 次世代へと森林を活かし続けるために


森林・林業白書〈平成16年度〉次世代へと森林を活かし続けるために


編集 林野庁
発行日本林業協会(2005/06)
¥2,940
第162回国会提出



森林インストラクター試験では、毎年この白書から数問出るという。それで購入し読んだ。しかしどの問題がこの中から出たのか実際には解らなかった。



地球温暖化防止策において、炭素同化作用と土壌の固定による森林の果たす役割はすでに多くの人の理解を得ているところである。京都議定書発効に至るこれまでの流れと、それを受けた我が国の地球温暖化対策推進大綱や地球温暖化防止森林吸収源10ヵ年対策などの策定の事が詳しく載っていた。健全な活力ある森林吸収により3.9%の削減を見込むというあきれるばかりの脳天気な見込みとなっている。

しかしすでに1990年の基準年から温室効果ガスの排出量は現在8%以上も増加しており、2008年〜2012年の5年間の温室効果ガス平均排出量は約束の6%と合わせて14%の削減が必要。一体どうするの?



いろいろ載っています。天然林から人工林への変遷と割合、山村と林業の事、木材の輸出入需要の現状、木造住宅、木質バイオマス、地域材認証制度、最近の国有林野の管理経営ビジョン、AKAYAプロジェクトの事…値段は¥2,800と高いですが…。参考資料には使えるものも結構あります。



≪世界の森林率≫

アンゴラ共和国56.0 エチオピア4.2 ケニア共和国30.0 南アフリカ7.3 アフガニスタン2.0 中国17.5 北朝鮮68.2 インド21.6 インドネシア58.0 日本64 マレーシア58.7 フィリピン19.4 韓国63.3 サウジアラビア0.7 タイ28.9 ベトナム30.2 オーストリア47.0 フィンランド72.0 ドイツ30.7 アイスランド0.3 フランス27.9 イタリア34.0 ロシア50.4 スペイン28.8 スウェーデン65.9 スイス30.3 カナダ26.5 メキシコ28.9 アメリカ24.7 オーストラリア20.1 ニュージーランド29.7 アルゼンチン12.7 ブラジル64.3 チリ20.7 ペルー50.9…



世界平均は29.6%、一人当たりの森林面積は0.6ha。日本は世界有数の森林国でありながら、上記森林率の激しく下降している国々から大量に木材を輸入している。日本は地球温暖化と世界の森林減少問題おいて無関係ではないどころか大いに関与している。