湯の丸レンゲツツジ保護増殖ボランティア



嬬恋村教育委員会主催の湯の丸レンゲツツジ保護増殖ボランティア活動は、今年から自然解説等含めて正式に嬬恋村インタープリター会に依頼されるようになった。

まずは午前中の作業。今年は潅木の除去がおおむね終わっているので、ナタ・ノコギリを腰に巻いた子ども達は中径木を伐りたくて騒ぎ出した。

最後までじっくり見守っての作業だったが、なかなか筋が良い。さすがは山で育った子だ。また、この小さな子ども達にナタ・ノコギリを預けた教育委員会も見どころがある。幼き頃から持ってこそ、触ってこそ刃物の使いどころが解ってくるのだ。


  


午後からは自然解説。

今年は花のつきが最高に良い。参加者達はこの文化遺産を守る活動に関わったのだと誇りに思ってくれただろうか。

ベニバナイチヤクソウ(イチヤクソウ科イチヤクソウ属)や、オオヤマフスマ(ナデシコ科オオヤマフスマ属)の群落にも出会えた。

そして遭難救助の鐘(標高1,800m付近)の前で少しお話をした。参加者は高校生だったのでこう話した。

「西暦2100年までに地球の温度は1.4℃から8.6℃上ると言われています。例えば今から50年後、温度が4℃上ったとしましょう。山では100m登るごとに約0.5℃温度が下がります。すると50年後、この位置に咲いていた花々はここより800mの高所に避難しないと、同じ条件を獲得できません。あそこに見えている湯の丸山山頂は標高2101mです。ここからわずか300mしかないのですよ。500m足りない。2℃の上昇も持たないのですよ。・・・50年後皆さんが孫を連れてここに来た時、同じ場所で咲いている高山植物はありません。迫り来る地球温暖化に対して私たちはどんな暮らしが望まれるのか、どんな行動をとるべきなのか、よく考えてください。逃げ場を失い消滅するのは植物だけではありません。その森林内に共存するさまざまな動物も含まれるのです。それがどんなに少数の種類であったとしても、異なるものが失われていくということは、同時に我々の豊かさをも失っているのだということを忘れないでください。」