森を調べる50の方法


森を調べる50の方法


編集 日本林業技術協会
発行 東京書籍(1998/02)
¥1,365



森林の測定、調査法など初めのうちは楽しんで読んでいたが、後半アンケートの取り方など対人的な要素が強くなり退屈してしまった。この本の初版が1998年2月28日である事を考えると、その背景には



「森林は森林・林業関係者だけが関わるのではなくて、人間社会全体で深く関わっていくべきもの、人間と森林との関わりのあり方は「利用」から「共生」なのだ−−−」



というアピールの意図が見られる。おかげで今は一般社会的にそういう考え方が浸透し、森林・林業関係者はより身近でより尊い存在になった。



しかし僕はすでに新しい利用の時代に入っていると思っている。「何もしないのが一番の自然保護なんだよ。」「化石燃料を使わないことが一番。」



そんな事は解っている。しかし誰が中国人やインド人が私達と同様の快適で便利な暮らしを得ようとする行為を阻められるのだろうか。



絶対に温暖化が避けられない二酸化炭素含有量(400ppm)まであと6年しかないのだ。私のフィールドである森に今植えたカラマツやミズナラは100年後は成長阻害を起こして枯れ、種子の供給が追いつかずはげ山になっているかもしれない。



だから今こそ、「人類の存続をかけた森」づくりと「木の循環した社会」を構築すべきである。森づくりとは100年単位ではなく1,000年単位で、そして「100年かけて育った木は100年使える家具を−−−」なんて生ぬるい事言ってないで100年かけて育った木を1,000年使い続ける社会、技術、ハイテクを育てていくのだ。



うっ・・・しまった。こんなに熱くなるべき本ではない。