ミゾソバの花







小さい頃、虫眼鏡で大きくなる世界にいつも胸をときめかせていた。蟻ん子のあごの大きさに怖くなり、トンボの目の数にビックリし、そして苔のじゅうたんを覗いてこう思った。


「全然小さくなんかない。僕が大きすぎるだけなんだ。」


今、虫眼鏡を覗いて見ている世界は、どうなんだろう。

図鑑と照らし合わせるために、案内を正確におこなう為に使用している。あの頃、この手に持った魔法のレンズは、僕を何時間でも夢中にさせたはずなのに、心をときめかせてくれたはずなのに、答えが解れば今や1分と持たない。

でも、まだ、花に関してはもう少しだけ感動する心を持っています。この米粒よりも小さいミゾソバの蕾に、誰があんなに美しい花を咲かせると思うもんですか。


僕のおんぼろデジカメでもたまに上手く接写できる事があります。その一枚をここに。