アレクサンダー・テクニックの使い方


アレクサンダー・テクニックの使い方―「リアリティ」を読み解く


  • 芳野香(著)
  • 価格:¥2,940(税込)
  • 単行本:329ページ
  • 出版社:誠信書房(2003/07)
  • 発売日:2003/07
  • 商品の寸法:19.2x13x3cm



谷村英司さんの本を読んで、アレクサンダー・テクニークについて「なるほど!」とは思ったのだが、谷村さんは国際ヨガ協会の顧問なので、ヨガに傾倒している可能性がある。べつにアレクサンダー・テクニークはヨガ専門のテクニークではないので、私にとってはヨガ畑ではない人物による、アレクサンダー・テクニークの解説本を読んでみる必要があった。



思いつきで読み始めてみたものの、さすがは¥2,940の本だ。全然進まない。芳野香さんはACAT(The American Center for The Alexander Technique:アレクサンダー教師を養成する機関)を1994年12月に卒業。ACATにて日本人としてはじめて最年少で公認資格を取得した人物。「あなたの最大の不幸は、あなたがあなた自身のレッスンを受けられないことだ」という言葉をもらったという芳野氏の言葉は、とても注意深く、センシティブであり、そして重要だ。これらの言葉をきちんと受け止め消化しながら読むには、相当の時間がかかる。あとがきに、書いていて脳みその溝がかゆくなったとあるが、そのくらい一言一句を丁寧に、言語表現にズレが無いように神経を集中して書き綴っている。本書を読もうと思ったなら、あなたもセンシティブになる覚悟を決めたほうが良い。副題の「『リアリティ』を読み解く」はだてじゃない。



芳野氏の言語表現の的確さに驚くし、何よりアレクサンダー・テクニークとはここまで解剖学に精通したものであるのかと驚く。近くに教室があれば、毎日でも通いたいくらいだ。