北軽井沢園地照月湖 「山菜研修会」
今日はインタープリター会の山菜イベント、山菜研修会の日。普通、山菜を採って食べる形式でのイベントはなかなか難しいのだが、地主である宝島社様が寛容にご許可くださり、実施することができた。ありがたいありがたい。
今日の講師は黒岩隆吾さん。自然案内で県知事認定ぐんまの達人である。「山菜を採るときは、全部は決して採らないで下さい。こごみでも株のうち半分は残してやる。タラノメも1番目の芽だけを採ってください。そうしてやれば、来年も芽を出してきます。植物が死ぬまでは、決してやらないでください。」との挨拶からスタートした。
さて、早速歩き始める。おや、これはカキドオシ(シソ科カキドオシ属)。シソ科独特の良い匂いがするがこれも食べられるはず。摘もうとすると、加辺さんが「油が台無しになるから止めたほうが良いですよ」と仰る。さて、どうしよう?!
「おーい、木村くーん!」と呼ぶ声。さて、声のする方へ行ってみると…なーんだ、不明植物か。いえいえ、私は万座−白根、あとは湯の丸周辺の自然環境の事しか詳しくないですよ!しかし結局この植物は解からなかった(左の写真)。サトイモ科テンナンショウ属であるマムシグサ等に雰囲気は似ているが、セリ科植物のような複散形状の花序がついている。なんじゃーこりゃー!
そして早速ツリガネニンジンがあったのでゲット。隆吾さんの採り方はとてもやさしい。このように下の葉は光合成ができるように残してやる。この採り方でユキザサでもなんでも採っていく。やっぱ凄い人だ。
私は山ウドを掘って採ったのだが、「採る位置が下すぎる。もっと上で採ってやらないと」と言われた。
しばらく歩くと、モミジガサ(キク科コウモリソウ属)がまとまってあった。私はヤブレガサと間違って恐らくヤマタイミンガサを食してしまったことがあり、そのまずさにのた打ち回ったものだ。それからどうもこのモミジガサ、ヤブレガサ、ヤマタイミンガサの見分けがつかないでいた。この研修会で、その違いを整理することができた。
私の知らない、万座にないお花がいっぱい咲いている。図鑑でしか見たことの無かったヤマシャクヤク(ボタン科ボタン属)、そしてルイヨウボタン(メギ科ルイヨウボタン属)というのも初めて見た。この春の時期、あまり山麓のほうの散策をしていないからなあ。
花と山菜を求めて進む進む。
ヤマトリカブトに似た葉はレイジンソウ(キンポウゲ科トリカブト属)。やはりこれもトリカブトの仲間だ。しかしニリンソウの葉にも似ているし、フウロソウ系、ハクサンイチゲなど似ている葉が多くて混乱する。
そしてこれが嬬恋で「ムコナカセ」と呼ばれている山菜。私は、てっきりこれがシオデだと思っていた。が、図鑑等で見るとちょっと違う。切ると乳液が出てくるので、ガガイモ科の植物だと思うのだがどうだろうか…。
このコースのイノシシのヌタ跡は恐ろしくでかい。足跡も大きいし、こいつとは遭遇したくないなあと思う。
オニヒョウタンボクの花の頃を初めてまじまじと見た。確かに花は二つ別にある。これが実になるときには合体して一つになりひょうたんの形になるのだから驚きだ。
おもちゃ王国の会員の方々もたくさん来てくださっていた。前川さんが何かを説明していらっしゃった。
ヒゲネワチガイソウ(ナデシコ科ワチガイソウ属)がぽつぽつと。
みんなが、「ワアー!」っと立ち止まった。何かと思ったら、サクラソウ(サクラソウ科サクラソウ属)の群落があったのだ。昔はたくさんあったのだというが、今は本当に少ない。私もこのようなまとまった場所は初めて見た。
これはチョウジザクラ(バラ科サクラ属)。なんだこの花は!これでサクラなんだから驚きだ。
ネコノメソウ(ユキノシタ科ネコノメソウ属)の大きな群落。ああ、これは綺麗だわ。
フデリンドウ(リンドウ科リンドウ属)は多年草ではなく、越年草になる。こんなに綺麗な花なのに一年草だなんて…。しかしここのフデリンドウは花の数が多い。さしずめヤエフデリンドウといったところか。
おお、サラブレッド。かっちょいいなあ。以前に馬に乗りながら自然観察を…なんて話が出ていたが、そんなことができれば楽しいなあ。あと流鏑馬(やぶさめ)なんか一度で良いからやってみたい。
今日採ってきた山菜をシートに並べる。初挑戦のものも結構ある。どんな味がすることやら…。
早速料理準備開始。こういうとき、女性がたくさんいてくださると助かる。
仕込みの終わった山菜が次々に油の前に到着。さて、天ぷら開始〜。
熱々の天ぷらをいただく。おお、さすが山のものはワイルドな味がする。
今回はガスコンロが1台だったので、少し大変だった。おひたしは同じ湯を使うしかなかったし、香りが移ってしまったのが残念だった。山菜の天ぷらで初挑戦したものの評価は、
ツリガネニンジン … せっかくのトトキの持ち味が生かされていない。味噌汁のほうがいいのでは。○
オヤマボクチ … とても無難な味。食感がもちもちしていて良かった。○
セリ … セリのほろ苦さは私はあまり好みではない。△
アザミ … 苦味が少し残る。何かアク抜きの方法があったのではないか。△
マツヨイグサ … のど越しの苦さが忘れられない。止めたほうがいい。×
そしてぐんまの達人(蕎麦打ち)による二八そばをいただく。ああ、結構けっこう。
今回、春のきのこ、アミガサタケ(アミガサタケ科アミガサタケ属)の天ぷらを。今回、私とSYさんはゲテモノ食いのレッテルを貼られてしまったが、ぜ〜んぜん、俺たち懲りないよ?
先にSYさんがパクッと。「うーん…いいんじゃない?」私も食べてみたが、なるほど、フレンチの高級食材であるのもうなずける…とまでは言わないが、けっこうイケる。悪くなかった。
天ぷらに使った油は、持って帰って何かの炒め物の際に使うそうだ。卵焼きでもいい。山菜の風味が移って美味いとのこと。
そして、最後にYOさんのスーパーコレクションが炸裂。ずらっと並んだ茶器。細長いのが茶壷(ちゃつぼ)、小さいのが棗(なつめ)というそうだ。YOさんは現役時代、材木商をやっていたが、材木の説明をお客様にするとき、このようなものを持っていって説明するというのだ。これはいいわ。
しかしこの真ん中の棗はシラカバのこぶの部分だという。へえ、これは芸術点高い。ほしいなあ。茶道なんてやらないけど。
最後の竹の棗も、節を上手く使用したつくりで見事。YOさんのお家には他にもたくさんあるらしいからぜひ一度うかがってみたいものだ。