木の名・草の名 ― その名の由来


  木の名・草の名―その名の由来


  著者 近藤浩文
  出版社 保育社(1980/09)
  文庫 151ページ
  ¥714


この前に紹介した「木の名の由来」と一緒に、草の名で良いヒントがあるかと思い購入してみた。しかし「木の名の由来」では“由来”を持つ樹種を選出し深い考察の元、紹介しているのに対して、こちらは“植物の名前のつけられ方”という程度にとどめている。順番としては、こちらを先に読んで名前の基礎的な知識を得てから、「木の名の由来」を読むべきだと思う。



「自然観察は名前ではない。まずは体験から。」という台詞を良く聞く。しかし名前がわからない正体不明の分野を突き詰めて学んでいくことは不可能である。名前がわからないものは何となーくとしか理解できないのである。前出のような台詞が、現代人を“広く浅く”という背骨に欠けた薄っぺらい人間を排出・増殖させていく。不勉強で無知な者でもリーダーとなって活動するために生まれた言葉がこの言葉であって真実ではない。しかし、そのくらいハードルを落とさないとならない程、現代人は自然から離れてしまっているのである。



すでに名の由来を細かく記載してある植物図鑑を持っている人には、不必要かもしれない。しかし高い本ではないので持っていてもいいでしょう。