木の名の由来


木の名の由来

  • 著者 深津正、小林義雄
  • 出版 東京書籍 (1993/05)
  • 単行本290p
  • サイズ(cm): 19 x 13
  • ¥1,680

      • 本書あとがきより---

 言うまでもなく、樹木の多くは、遠い昔から常に私どもの祖先の身近にあり、なんらかの形でその生活と深い係わり合いを持っていた。したがってその名前には、庶民の生活上の体験の中から自然発生的に生まれたものが多い。もちろん、なかには樹木の生態、形状、分布といった植物学的要素に基づく名前の生ずることも当然であるが、ほかにアイヌ語をはじめ、古代における文化的先進国であった中国、朝鮮などにおける呼び名に由来するものも少なくない。



 しかし、長い年月の間における言葉の変遷や転訛などにつれて、それらの名前の多くが、さまざまな形に姿を変え、その出所、由来がまったく混沌としてしまったものも数限りない。古来、樹木名のみならず、植物和名の多くについて、その語源に関し、いろいろな人がいろいろな類推を試み、説が多岐にわたっているのはそのためである。



 本書では、右に述べたような経緯のもとに、78種の樹木を選び、これら樹木の和名の由来について、従来の諸説を紹介したうえ、私(深津正)自身の考えを述べたが、なかには、例えばサクラやマツのように、はっきりと自らの意見が定まらぬまま、単に先人の説をあれこれと掲げるにとどまったものもある。


          • とある。読んでみて古事記日本書紀万葉集など古典からみる木の名前はおろか、世界中の言語からの考察、そして筆者の知識の豊富さにただただ恐れ入る。インタープリテーションでは一部を紹介するにとどめることになるだろうが、自分の好きな木なら、ここまで入れ込んでも良いのではないか?