奪われし未来


奪われし未来


著者(共著) シーア・コルボーン、ジョン・ピーターソン・マイヤーズ、ダイアン・ダマノスキ
出版社 翔泳社
増補改訂版(2001/02)
¥2,100



化学物質がいろいろ出てきて僕には難しすぎる本だった。本書の意図するところの5%も理解できていないだろうが、それでも今後の環境のあり方、食のあり方を考えさせられるには充分であった。



この本が日本語に翻訳された頃、当時の我が社の料理長・関口氏がしきりに「環境ホルモン」の危険性を唱えていた。当時私を含めた我が社社員のせめて半数がこの本を読んでいたならきっと我が社の今は違う道を歩んでいたのだろう。



世紀を隔てた後に子孫らが「この時代の人達は何という事をしてしまったのか。気でも狂っていたに違いない。」



と言ってくれるのならまだ良い。今や世界中に蔓延した環境ホルモンはこの半世紀で精子数を半分にした。精巣、子宮、卵巣は確実に汚染されていっている。運良く赤ちゃんに恵まれても母乳は最も環境ホルモンが高濃度に蓄積されてしまう箇所。死のお乳を与える事となる。子供達は性早熟、知的能力・記憶力の低下、注意力の散漫、ストレスへの異常反応、免疫力の低下、生殖能力の低下・・・



数百年後、私たちの子孫がこの地球の上を歩いているかも定かではない。この本を読むと本当にそんな気がしてくる。私たちの未来は本当に奪われてしまったのだろうか。